韓国基礎知識
国名の由来
1948年 現在の大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が国家として成立する。
もともと大韓民国の「韓」(ハン)という文字は、古くから用いられていた固有の言葉を漢字で表したもので、「唯一の、最高の」という意味を持っています。ちなみに、「朝鮮」(チョソン)は「朝日が真っ先に指す、東方の国」という意味を持っている。
つまり、どちらとも同じ民族を誇りを持って言い表した呼び方なのである。
1897年に李王朝は朝鮮から国名を大韓と改める。おそらくこれが、現在の大韓民国の起源になっているのであろう。直訳すると「朝鮮民族は唯一最高の民族である」という意味になると思われる。日本も「日の出づる国」といって、「日本を中心にまわっている」という意味を持っている。つまり、どんな国でも自民族に誇りをもっているのである。
英語のKOREAの意味は、マルコ・ポーロ(JAPANの名付け親)が、「東方見聞録」に高麗を(koryo)と訳したのが起源だとされる説がある。
「マルコ・ポーロは(JAPAN)の起源であるジパングだけではなく、他のアジアの国にも影響を与えていた」ということには驚かされる。
国旗
1882年、特命全権大使の朴泳孝等の一行が日本に向かう船の中で太極旗を描き掲揚したのが最初であり、その原案は朝鮮王朝第26代王である高宗(コジョン)皇帝によって作成されたということが明らかになっている。そして翌年、1883年(高宗20年)に太極旗が国旗として制定公布された。
太極旗(テグキ)について
太極旗には5つの精神が示されている。まず、土台となる旗地の白は「正義、人道を基本とする平和の精神」
真ん中の円は「天地が一つになった単一の精神」陰(青)と陽(赤)「陰陽が一つになり万物を創造する、創造の精神」円と陰陽をあわせて太極という。
乾(左上)と坤(右下)は「天(乾)と地(坤)の如く、永遠性のある無窮の精神」離(左下)と坎(右上)は「日(離)と月(坎)の如く、光あふれる光明の精神」これは、八卦のうちの4つの卦を使っていて「乾坤坎離」(ケンコンカンリ)という。
以上のような5つの精神を基本として国が成り立っているわけである。
韓国語とハングル
言語は韓国語。この韓国語は(10、000ウォン札にも描かれている)韓国で最も偉大な王様、朝鮮王朝の第4代世宗(セジョン)大王(1418~1450年)によって1446年にハングルが創られ公布された。以来、ハングル(意味は「偉大な文字」)が韓国語を表記する文字として広く使われるようになったのである。
ハングルは表音文字であり、○や□のように幾何学的な文字であるが、とても理にかなった文字である。
10個の母音と14個の子音記号で構成されているこの文字は、人間が言葉を出すときの舌の形や唇の形、喉の形を抽象化したものであり、それらの形に合わせて発音するので、ほとんどの世界の国の言葉を発音できるのである。
それも幾何学的で完璧な音韻体系と幅広い表記範囲を持つハングルのおかげだと言える。また、文字もとても書きやすいことから、漢字を知らない農民たちにとっては本当にすばらしい偉大な文字といえる。
また、韓国語と日本語は、語順がほとんど同じで、名詞に「てにをは」が付く点も類似している。そのため、日本人にとっては勉強しやすい言語でもある。
宗教
アジアの国々の中で最もキリスト教徒が多い国。なんと国民の4分の1が、キリスト教徒なのである。
次に多いのが仏教徒である。しかし、韓国に行ったことがある人ならば、ご存知のように、韓国には教会がとても多いのである。
キリスト教国と同様に日曜日に教会に通う。大学の講義で韓国からの留学生が、「日本では教会を探すのが難しい」といっていた。この言葉からも、教会が韓国に多いことがわかるであろう。
では、なぜキリスト教がこんなにも普及したのだろうか? それにはいくつかの説がある。朝鮮戦争、その後、南北に分断されてしまったこと、このような悲劇が起こった激動の中で、心のよりどころを宗教に求める人が多かった。また、日韓併合、在韓米軍やアメリカ系宣教師の存在も要因のひとつであろう。
朝鮮半島はずっと戦乱の真っ只中に立たされていて、3年に1度は諸外国からの侵略を受けていたのである。つまり、心のよりどころを宗教に求めるのは当然のこととも言える。他の説では、フランシスコ・ザビエルが朝鮮半島での普及に活躍したという話もある。これは本当かわかりません。
韓国の国民性に深く根付いている儒教の心について
韓国では「私は儒教の信者です」と答える人はいないが、国民の心に深く根付いている。その儒教の教えとは、 まず、「長幼の序」である。
韓国では年齢・地位・先後輩などによる序列がとても厳しい。自社の社長にも「社長様」と様をつけるし、身内の両親や兄・姉に対しても同様に敬語をつける。
さらに年齢・序列が上の人に対しては、恭順の意を行動においても示さなければならず、年配者の前での若い人のタバコを吸うのは非礼とされ、酒席の座り方やお酒の飲み方にもルールがある。
次に「親孝行」である。「忠と孝」の「孝」を韓国は重んじている。日本は「忠」を重視したので、謙遜つまり、殿様に忠誠を誓う武士といった具合にへりくだる概念が生まれたのだとされている。逆に韓国は「孝」を重んじているので、両親や身内にも敬語を使うのであるとされている。